自己評価が低い「ハイアチーバー」に見られる7つのサイン

ハイアチーバー(高い成果を出す人)は、自信にあふれている——多くの人がそう思いがちです。でも実は、必ずしもそうとは限りません。常に成果を出し続ける人の中には、深い自己不信と戦っている人もいます。

そう、どれだけ成功を重ねていても、自信を持てない人は存在するのです。実際、私が出会った中でもっとも成果を出している人たちは、同時に最も不安を抱えている人たちでもありました。

この矛盾は気づきにくく、理解するのも難しいもの。でも、よく見るといくつかのサインがあります。

ここでは「自己評価の低いハイアチーバーに見られる7つのサイン」を紹介します。実績の裏側にある、人間らしさと葛藤をのぞいてみましょう。

1)自分を酷使しすぎている

ハイアチーバーといえば、努力家で知られています。でも、その努力がどこかで行き過ぎていないでしょうか?

自己評価が低いハイアチーバーの典型的なサインのひとつが、「常に働きすぎている」ということ。時間をかければかけるほど成功できると思い込み、休むことに罪悪感を感じてしまうのです。

確かに努力は重要ですが、同じくらい「休息」と「自己ケア」も大切です。

もし、深夜まで働き続けている、常にストレスを抱えている、そして少しでも休むと自分を責めてしまう——そんな状態なら、それは自信のなさからきている可能性があります。

自分の能力や仕事の質を信じる代わりに、「量」で自分の価値を証明しようとしているのです。

成功とは、ただ頑張ることではありません。賢く働き、自分自身を大切にすることも含まれます。過剰な働き方に陥っているなら、一度「自信」について見直してみましょう。

2)常に承認を求めてしまう

私が文章を書き始めたばかりの頃の話。何時間もかけて1本書いたあと、すぐに友人に送って「どう?これ、いいよね?」と感想を求めていました。

ただのフィードバックではありません。「良かったよ」と言ってもらいたくて仕方なかったのです。

この「常に誰かの承認を求めてしまう」という傾向も、自己評価が低いハイアチーバーに多く見られるサインです。上司、同僚、SNSの「いいね」など、どこかで誰かに認めてもらいたい——そんな気持ちが強くなっていませんか?

でも、どれだけ外側からの承認を得ても、自信が育つとは限りません。

それは穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるようなもの。どれだけ注いでも、満たされることはないのです。

もし、誰かに認めてもらうことばかりを気にしてしまうなら、一度自分の内側と向き合ってみてください。本当の自信は、外ではなく自分の中に育てていくものです。

3)完璧主義である

完璧主義はハイアチーバーに多く見られる特徴です。常に「よりよく」「もっと上へ」と突き進む原動力になります。

しかし実は、この完璧主義も「自信のなさ」と深く関係しているのです。

研究によると、完璧主義者は自己不信や失敗への恐れと闘っている傾向があるそうです。自分に対して非現実的な基準を設け、それを達成できないと「自分はダメだ」と責めてしまう。

こうして、「高すぎる目標→達成できない→自分を責める」という悪循環に陥っていきます。

もしあなたが、少しでも理想に届かなかったことを「失敗」と感じてしまうなら、それは完璧主義に陥っているサインかもしれません。

誰もが失敗するし、完璧なんてありえない。だからこそ、「これで十分」という感覚も、ときには大切です。

4)自分の成果を過小評価してしまう

自己評価の低いハイアチーバーは、自分の成果を正当に認めるのが苦手です。

履歴書には目を見張るような実績が並んでいるのに、それを聞かれると「たいしたことないですよ」と答えたり、「運が良かっただけ」と片づけてしまったり。

これは「インポスター症候群(詐欺師症候群)」と呼ばれる現象と関係しています。明らかな能力や実績があっても、「自分は偽物なんじゃないか」と感じてしまうのです。

もしあなたにも心当たりがあるなら、まずは自分の成功を正しく認識することから始めてみましょう。

それは偶然ではなく、あなたの努力と才能の賜物です。しっかりと自分の手柄として受け止めていいのです。

5)失敗への過度な恐れ

以前、昇進のチャンスを断ったことがあります。理由は「自分には無理かもしれない」と思ったから。

今思えば、それは「失敗への恐れ」からくるものでした。

このように、失敗を極端に恐れるのも、自己評価の低いハイアチーバーに見られる特徴です。新しい挑戦やチャンスを避けてしまう——その根底にあるのは、「うまくやれなかったらどうしよう」という不安です。

けれども、誰だっていつかは失敗します。そして、それはまったく問題ありません。

失敗は「あなたの価値を下げるもの」ではなく、「学びと成長のきっかけ」です。

怖さを感じても、それを理由に一歩踏み出せないのはもったいない。時には勇気を出して、コンフォートゾーンの外に出てみることも必要です。

6)他人とばかり比べてしまう

自己評価の低いハイアチーバーに共通するのが、「常に他人と自分を比較してしまう」傾向です。

職場の同僚や友人、SNS上の誰かを見て、「あの人はもっと上手くやってる」「自分はまだまだだ」と思ってしまう。

でも、その比較はしばしば自分の価値を過小評価する原因になります。しかも、他人の「表に見える部分」だけを見て、自分の「内面」と比べてしまうため、余計に自信をなくしてしまうのです。

大切なのは、「他人との比較」ではなく「昨日の自分との比較」。

自分がどれだけ成長できたか、どう進んできたかに目を向けることで、自信は少しずつ積み重なっていきます。

7)自分自身のニーズを後回しにする

最も重要で見逃されやすいサインが、「自分のニーズを常に後回しにしてしまう」ということです。

自己評価の低いハイアチーバーは、他人の期待や要求を優先しがちで、自分の欲求や疲れには鈍感になってしまう傾向があります。

でも、そのままでは心も身体もすり減ってしまいます。

「自分を大切にすることはわがままじゃない」。それを、まずは覚えておいてください。

空っぽのカップからは、誰にも注げません。自分自身を労わることは、長く健やかに活躍し続けるための土台なのです。

だからこそ、自分を満たす時間や、心が喜ぶ活動を大切にしてください。

あなたは、それに値する存在です。

旅を受け入れること

高い成果と低い自己評価というギャップを抱えるのは、簡単なことではありません。

でも、自信というのは生まれつきの資質ではなく、「育てていけるスキル」なのです。

研究によれば、「セルフ・コンパッション(自己への思いやり)」は自信を高めるために非常に効果的だとされています。つまり、失敗やミスをしたときに自分に優しく接することが、自信へとつながっていくのです。

もしあなたが今、自信のなさに悩みながらも努力を重ねているなら——あなたは一人ではありません。

そして、あなたの価値は「成果」や「失敗」で決まるものではなく、「あなた自身」によって決まるのです。

成長と自己発見の旅路を、どうか誇りに思ってください。

完璧である必要はありません。できたことを祝福し、まだ足りないところは優しさで包んであげましょう。

自信への道のりは決して一直線ではありません。でも、あなたが一歩踏み出すたびに、それは前進です。

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