子どもが18歳になっても、親であることは終わりません。
そして、子どもたちの「親としてのあなた」への必要性も終わらないのです。
ただし、関わり方は変える必要があります。
もう指示や命令を出す時期ではありません。
これから大切なのは、“尊重”と“理解”、そして“信頼”です。
「大人になった子どもがよそよそしい」「なんだか距離を感じる」——
そんな悩みを抱えているなら、もしかしたら子どもが小さかった頃の接し方を、今も無意識に続けているのかもしれません。
それを認めるのは、正直つらいことかもしれません。
でも、ここでの気づきが、親子関係を大きく変えるきっかけになります。
この記事では、大人になった子どもから尊敬され、心から慕われるために、手放すべき7つの行動をご紹介します。
大人になった子どもを“ひとりの人間”として認めながら、親としての役割を“進化”させていきましょう。
では、一緒に見直していきましょう。
1)子ども扱いをやめる
尊敬を失う最も早い道のひとつは、大人になった子どもを“幼いまま”の存在として扱うことです。
子どもを子どものままだと思ってしまうのは、親としてごく自然な感情かもしれません。
特に、愛情や心配からくるものなら、なおさらでしょう。
でも、もう子どもたちは“自分の人生を生きる大人”なのです。
その事実をきちんと認めることで、彼らは「一人の大人として尊重されている」と感じ、親への信頼や敬意が深まっていきます。
アドバイスはしても、押しつけにならないように。
助け舟は出しても、問題を先回りして解決しようとしないこと。
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「あなたならできる」と信じて見守る姿勢こそ、真のサポートです。
その余裕が、親としての“新しい信頼関係”を築いてくれます。
2)過度な批判はやめる
私自身、子ども時代は「親に認めてもらいたい一心」で頑張っていた記憶があります。
でも、どんなに頑張っても、いつも欠点を指摘され、完璧を求められてばかり——
それが積み重なると、心は疲れてしまいます。
そして、大人になってもその関係性が続くと、自然と“距離”が生まれるようになります。
建設的なフィードバックはもちろん必要です。
でも、「批判ばかり」になってしまうと、子どもたちは安心して心を開けなくなります。
意識したいのは、「認める・ほめる・励ます」ことをベースにすること。
私は親になってからそれに気づき、意識的に実践するようになりました。
すると、子どもとの関係が驚くほど良くなったのです。
尊敬される親は、相手の努力を見つけ、言葉にして伝えられる人です。
3)「自分が正しい」という姿勢を手放す
「親だから正しい」「年上だから分かっている」——
そんな前提で会話を始めていませんか?
“マイサイド・バイアス”という心理学用語があります。
これは「自分の意見や信念に都合のいい情報だけを受け入れ、そうでない意見を拒絶してしまう思考のクセ」です。
親子関係においても、このバイアスが入り込みがちです。
でも、大人になった子どもたちにも、自分の視点・経験・価値観があります。
尊敬される親とは、自分の考えを一方的に押しつける人ではなく、子どもの意見を“きちんと聴ける”人です。
もし会話の途中で「正論で論破しようとしていたな」と気づいたら、
深呼吸して、「この子の視点からはどう見えているんだろう?」と考えてみてください。
あなたの“理解しようとする姿勢”こそが、信頼と尊敬を築いてくれます。
4)罪悪感を利用するのをやめる
誰でもついやってしまいがちなのが、“罪悪感”を使ったコミュニケーションです。
「そんなことして、親がどれだけ苦労してきたと思ってるの?」
「それを選ぶなら、もう知らないよ…」
こうした言い回しは、意図せず相手を縛りつけてしまいます。
もちろん、愛情からの言葉なのは分かります。
でも、大人になった子どもにとっては、プレッシャーと義務感として伝わりやすく、
時には「心の距離」を作るきっかけにもなります。
それよりも、「自分の気持ち」を正直に伝えてみましょう。
責めるのではなく、理解し合うための対話を心がける。
すると、相手は「責められている」ではなく「理解されようとしている」と感じてくれます。
その積み重ねが、温かく成熟した親子関係につながるのです。
5)子どもを“自分の夢の代わり”にしない
これは私自身の話ですが——
長男が芸術の道に進みたいと言ったとき、私は戸惑いました。
自分が弁護士だったこともあり、「息子にも安定した道を歩んでほしい」と思っていたんです。
最初は説得もしました。でも、彼の本気の姿を見て気づいたんです。
私は、彼の人生を通して“自分の理想”を実現しようとしていたのだと。
子どもが自分と違う選択をしたとき、親としての寂しさや不安は当然あります。
でも、それでも応援することこそが、本当の愛情と尊重ではないでしょうか。
子どもたちは、自分の夢を生きるために生まれてきた。
親は、その旅を信じて見守る“応援者”になるべきなんです。
6)他人との比較をやめる
「○○ちゃんは、もう結婚したのに」
「あなたの弟はちゃんとしてるのに」
「私の若い頃はもっと努力してたよ」
こうした比較は、どんな年齢になっても心に刺さります。
比較されることで、自信を失ったり、反発心が生まれたり——
その結果、関係がギクシャクしてしまうのです。
誰にでも、それぞれのタイミングや人生の流れがあります。
比較するのではなく、「その子自身の歩み」を祝福してあげましょう。
たとえ他の誰かと違っても、その人なりの努力や成長を見て、言葉にして伝える。
「あなたはあなたで素晴らしい」と伝えることで、信頼と敬意が深まっていきます。
7)プライバシーを尊重しよう
大人になった子どもには、“自分だけの空間と時間”があります。
「何してたの?」「誰と会ってるの?」「どうせまた…でしょ?」
こういった問いかけが、過干渉や詮索に聞こえてしまうこともあります。
親としては「心配だから」「興味があるから」聞いているだけでも、
相手にとっては「信用されていない」と感じることも。
大切なのは、“適度な距離感”のバランスです。
関心は示しつつも、自立した個人としての自由を認める。
「あなたを信じているから、任せるね」
そんな言葉が、親としての大きな信頼の証となります。
過干渉を手放し、尊重を選んだとき——
それが子どもにとって、何より嬉しいプレゼントになるのです。
最後に:親として“進化”するということ
親と大人の子どもとの関係は、家族としての成長そのものです。
そしてそこには、ひとつのキーワードがあります。
それが「進化」。
子どもが大人になるのと同じように、
親としての関わり方も“進化”していく必要があるのです。
一つひとつの会話、一つひとつの関わりが、
お互いにとって成長の機会になります。
子どもから尊敬されたい——
その気持ちを大切にしながらも、
本当に大切なのは、“信頼と理解”で結ばれた関係を築くこと。
あなた自身の変化が、きっと素敵な親子関係を育んでいくはずです。











