何年もの間、私のアイデンティティは仕事に支配されていました。
プロジェクトが評価されたとき、会議で自分の名前が挙がったとき——そんな瞬間が私の生きがいでした。
「この努力は、いずれ大きな成果につながる」と信じ、ひたすら働き続けました。
でも、必死に努力していた昇進のチャンスが他の誰かに渡ったとき、まるで空気が抜けたような気持ちになったのです。
最初は「もっと頑張ればいい」と自分に言い聞かせました。長時間働き、より戦略的に動き、結果を出せばきっと報われるはずだと。
でも心の奥では、どうしても拭えない疑問がありました。
「私は本当にこれを望んでいるのか？」
何ヶ月も悩み、自分自身と何度も対話した末、ようやく気づきました。
私は仕事での評価を追い求めるあまり、自分の本当の夢を放置していたのです。
その事実を認めるのは辛かった。
でも同時に、その気づきが私の中で新たな炎を灯しました。
そして今、その情熱をすべて注いで、自分だけのビジネスを立ち上げています。
驚いたのは、新しい挑戦をする喜びだけではありませんでした。それ以上に、自分の中に染みついた価値観を手放すことの難しさを実感したのです。
自分のために何かを築くまでの道のり
最も難しかったのは、「自分は違う道を歩みたい」と認めることでした。
ずっと、「会社で昇進することだけが成功への道」と思い込んでいました。
でも、その枠の外に目を向けた瞬間、新しいアイデアがどんどん浮かんできました。
昔、思いついたビジネスアイデアをメモしていたノートを引っ張り出し、何気なく見返してみました。
その中のひとつ——「持続可能な手作り製品を扱うオンラインショップ」——が、妙にしっくりきたのです。
完璧ではないけれど、何かが違う。
「これは私のためのものだ。」 そう感じました。
そこからは、小さく始めました。
夜や週末の空いた時間を使って、1時間、2時間とコツコツ作業を進める。
仕入先を調べ、シンプルなウェブサイトを作り、YouTubeでマーケティングの基礎を学ぶ。
最初のサンプルが完成したとき、初めて商品が売れたとき——どんな小さなことでも、心の底から「これは私の成果だ」と思えました。
もちろん、フルタイムの仕事と両立するのは簡単ではありませんでした。
深夜まで作業する日もあり、途中で「やめようかな」と思う瞬間もありました。
でも、思い出すのです。
「前の私は、あんなにも停滞感を抱えていたじゃないか。」
この新しい挑戦は、それとはまるで違いました。
前に進んでいる——そう感じられたのです。
私たちが「成功」について信じている大きな嘘
何年もの間、私はこう信じていました。
「成功は一直線に進むものだ。」
「努力すれば、忠誠心を示せば、いずれ報われる。」
昇進、昇給、肩書き——それが「前進の証」だと教えられてきました。
でも、もしそれが手に入らなかったら？
私は自分の仕事での評価を、自分の価値そのものだと思っていました。
だからこそ、昇進できなかったとき、自分の存在意義すら疑ってしまったのです。
でも、そこで気づきました。
「自分の価値を、他人の評価に委ねている限り、一生満たされることはない。」
いくら仕事で認められても、その喜びは一瞬。すぐに次の目標を求めてしまう。
それよりも、自分自身の価値観に沿ったものを生み出し、それに誇りを持つことこそ、本当の満足につながるのではないか。
「自分にできること」にフォーカスする
私にとっての転機は、「自分ではどうしようもないこと」から、「自分が変えられること」に意識を向けたこと でした。
昇進や会社の評価を気にするのをやめ、「自分で自分の成功を作り出す」 ことに集中し始めたのです。
まず、私は自分自身に問いかけました。
「何が私をワクワクさせるのか？」
「私が本当にやりたいのは、どんな一日を過ごすことなのか？」
答えはシンプルでした。
「自分の価値観や創造性を反映した、何か具体的なものを作ること。」
方向性が見えたら、一歩一歩進むことができるようになりました。
すべてを一気にやろうとせず、小さな目標を設定する。
ウェブサイトを立ち上げる。
初めての製品をデザインする。
仕入先と連絡を取る。
小さな成功を積み重ねることで、少しずつ自信がついていきました。
大事なのは、継続すること。
どんなに疲れていても、どんなに迷いがあっても、毎日少しずつ自分のために行動する。
たとえ15分のリサーチでも、仕事終わりの1時間の作業でも、それが積み重なり、確実に前進していくのです。
立ち止まることで、前に進める
振り返ってみると、私にとって最も大きな変化は「副業を始めたこと」ではなく、「人生全体の考え方を変えたこと」 でした。
これまで私は、「昇進」「評価」「安定した収入」——そうしたものこそが正しい目標だと信じていました。
でも、一度立ち止まって考えてみると、それは「自分が本当に求めているもの」ではなく、「周囲から期待されているもの」だったと気づいたのです。
もし、あなたが今、行き詰まりを感じているなら
あなたには、今の道を変える力があります。
まずは、次のことから始めてみてください。
✔︎ 「何かがおかしい」と感じる気持ちを無視せず、向き合うこと。
✔︎ 「やるべきこと」と「本当にやりたいこと」を区別すること。
✔︎ 誰かの期待ではなく、自分の価値観に基づいて成功を定義すること。
✔︎ 小さくてもいいから、自分のために一歩踏み出してみること。
成功とは、会社や上司が決めるものではありません。
あなた自身が、自分の手で築いていくものなのです。
