いつも誰かのために手を差し伸べている人を見かけたら、その人は生まれつき優しい人だと思うでしょう。異常に我慢強かったり、年齢のわりに落ち着いている人に出会ったら、それもまたその人の個性だと感じるかもしれません。
でも、もしそれが「育ち」によるものだったとしたらどうでしょう? 特に、マルチジェネレーション(多世代)世帯で育った人なら、なおさらです。
祖父母、両親、兄弟姉妹が同じ屋根の下で暮らす環境は、その人をさりげなく、でも深く形づくります。
実際、そうした家庭で育った人には共通して見られる行動がいくつかあります。ここでは、その中でも特に顕著な8つをご紹介しましょう。
1)多様性を自然に受け入れる
さまざまな人とすぐに打ち解けられる人っていますよね。違いに対して寛容で、どんな環境にも適応できるような人。
それは、多世代世帯で育った人によく見られる特徴です。
異なる価値観や人生観を持つ世代が同居する家庭では、「正しい」や「間違っている」といった判断よりも、「違い」を認識する力が育まれます。
この感覚は家庭内にとどまらず、他人の文化やライフスタイル、考え方に対しても自然と敬意を持てるようになります。
もしあなたが、どんな場所でもすぐに馴染めるタイプなら、それはきっとその家庭環境のおかげです。誰にでもできることではありませんからね。
2)家族の絆を大切にする
「忙しくて家族に連絡する時間がない」ってよく聞きますよね。でも、私にはあまりそういう感覚がありません。
私の育った家はいつも賑やかで、祖父母や叔父叔母、いとこたちと一緒に暮らしていました。
お祝い事はみんなで一緒に楽しみ、毎日の食事も家族全員で囲む。悲しいときも、うれしいときも、いつもそばに誰かがいてくれました。
そんな環境で育ったからこそ、私は今でも家族とのつながりを最優先にしています。どれだけ忙しくても、家族には必ず連絡を取るし、時間を作って会いに行きます。
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もしあなたもそうなら、それはきっと同じような家庭環境で育ったからでしょう。これは、私たちが自然に身につけた大切な習慣のひとつです。
3)語り継ぐことの大切さを知っている
多世代世帯で育った人なら、年長者からの物語を聞く楽しさを知っているはずです。
昔は、まだスマートフォンやSNSがなかった時代、ストーリーテリングこそが最大の娯楽でした。そして多くの家庭では、今でもこの文化が生きています。
祖父母や親が昔話や人生の教訓、家族の歴史を語ってくれることで、子どもたちは楽しみながらも、文化や知恵を受け継いでいきます。
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『家族心理学ジャーナル』に掲載された研究でも、家族の歴史をよく知っている子どもほど、自尊心が高く、自分の人生をコントロールできるという実感を持ちやすいことが明らかになっています。
だからこそ、物語の力を信じ、大切にできるあなたには、きっと多世代家庭での体験があるのでしょう。
4)幼い頃から責任感を持つようになる
責任感というのは、生まれつきのものではなく、環境によって育まれるものです。そしてその最良の先生こそ、多世代世帯かもしれません。
祖父母、両親、年下の兄弟が一緒に暮らす中で、自然と何らかの役割や責任が生まれます。
おばあちゃんの薬を用意したり、家事を手伝ったり、弟や妹の面倒を見ることもあるでしょう。
こうした「小さな責任」は、成長してからも根強く残ります。頼れる存在になり、必要とあらば進んでリーダーシップを取れるようになるのです。
幼い頃から責任を引き受けることが当たり前だった人には、多世代世帯での経験が背景にあるのかもしれません。
5)年齢以上の落ち着きと知恵を持つ
「年の割に大人っぽいね」と言われることがよくあります。昔はなぜだろうと思っていましたが、やがてその理由がわかりました。
祖父母と一緒に暮らし、彼らの人生経験や教訓に触れながら育ったことが、私の人格に大きな影響を与えていたのです。
彼らの目を通して世界を見ることで、子どもながらにさまざまな価値観や現実を理解するようになりました。
この多様な視点との出会いが、若いうちから人生を深く捉える力を育ててくれたのです。
「昔の人みたいな考え方するね」と言われたことがある人は、きっと同じような経験をしているかもしれませんね。
6)意外と自立している
不思議に思えるかもしれませんが、多世代家庭で育った人ほど、自立心が強いことが多いんです。
家族がたくさんいれば、頼れる人も多く、つい甘えてしまいそうなもの。でも実際には、その逆です。
異なる意見や価値観の中で育つことで、自分の考えを持ち、自分で選び取る力が自然と身につきます。流されず、自分の判断を信じられるようになるんです。
自分の道をしっかり歩むタイプの人なら、その背景には多世代家庭での経験があるのかもしれません。
7)衝突をうまく乗り越えるスキルがある
多世代世帯では、当然ながら意見の食い違いが頻繁に起こります。世代が違えば考え方も違うのは当たり前です。
でも、そんな環境こそが「衝突の乗り越え方」を教えてくれるのです。小さい頃から、折り合いをつけたり、相手の立場を理解したりする練習を積むことになります。
それが、大人になってからの人間関係や仕事の場面でも活きてくるのです。
もしあなたが、対立をうまく調整したり、人の意見を尊重できるタイプなら、それはきっとこの環境で培われたスキルでしょう。
8)年長者への深い敬意がある
多世代世帯では、年長者への敬意は当たり前の価値観です。それは「尊敬すべき存在」として言葉で教えられるだけでなく、日々の生活の中で自然と体に染みついていきます。
年上の人の話に耳を傾け、その経験や知恵に価値を見出す。そんな習慣は、大人になってからも消えることはありません。
お年寄りに自然と敬意を払える人は、多世代家庭で育った人によく見られる特徴です。
多世代世帯で育つことの本当の意味
ここまで読み進めてくださった方なら、多世代家庭で育つことが単に「家族が多い」ことではないと感じていることでしょう。
それは、人生における数え切れない教訓、日々の中で形成される行動、そして独自の視点を与えてくれる環境です。
異なる世代と共に過ごすことは、人の人格形成に深く関わっています。
多様性への理解を育て、年齢以上の知恵を授け、自立心や責任感を自然と身につけさせてくれる。
そして、そうした家庭で育ったあなたは、ただの「環境の産物」ではありません。
人間関係の機微を理解し、家族を何よりも大切にし、今の時代にはなかなか見られない「温かみのある魅力」を備えた存在なのです。
自分のルーツを見つめ直すとき、私たちは多くのことに気づかされます。
多世代家庭で育ったという体験は、あなたを他の誰とも違う存在にしている。それは、確かな事実です。