時間を忘れてバスや電車に乗り遅れることはよくあることですが、クルーズ船に乗り遅れるとなると話は別です。
ほとんどの人にとって、クルーズのスケジュールを守ることは絶対条件。寄港地にいる間も時間は止まらず、ましてや船が待ってくれることはありません。
そして、それを身をもって学んだのがある18歳の少年でした。彼の両親は旅のルールを無視し続けた結果、クルーズ船を逃してしまったのです。
彼は、今やバズっているRedditの投稿で、この出来事について語っています。彼に残された選択肢は2つ——両親を置いて自分だけ船に戻るか、一緒に取り残されるか。彼は迷った末、前者を選びました。
Redditのr/AmItheAsshole(私は悪者?)というコミュニティに投稿した彼は、両親が出航時間を守らなかった結果、船に置いていかれたことを説明。そして、彼が船を待たせなかったことに両親が激怒していると語りました。
一生に一度の旅行が悪夢に
投稿者のユーザー名はProfessionalTax7753。彼によると、今回のクルーズは高校卒業と18歳の誕生日を祝うための旅行でした。家族で楽しい時間を過ごすはずだったのに、クルーズ船のスケジュールを守らない両親のせいで事態は思わぬ方向へ。
彼は最初から「クルーズ旅行はオールインクルーシブのリゾートとは違う」と警告していました。
「寄港地での観光はスケジュール厳守。時間になったら絶対に戻らないといけないって伝えました」
しかし、この忠告は両親の耳には届きませんでした。
そして、問題が起きたのはカリブ海のある寄港地でのこと。彼らは地元の店で買い物をしているうちに時間を忘れ、彼が何度も帰るよう促しても聞く耳を持ちませんでした。
彼はついに、自分だけ船に戻る決断をしました。しかし、母親は彼を手で払いのけるようなジェスチャーをし、まるで気にも留めていない様子だったといいます。
ところが、いざ船が出航してしまうと状況は一変。両親は取り残されたことに気づき、WhatsAppで彼に連絡。「なぜ船のクルーに頼んで出発を遅らせなかったのか」と責めてきたのです。
しかし、彼は投稿の中でこう言い放ちました。
「たった二人のために、3,998人の乗客を巻き込んで船の出発を遅らせるなんて無理に決まってる!」
結局、両親は次の寄港地まで高額な航空券を購入し、ようやく船に再合流。しかし、その後も彼を責め続け、旅行中も帰宅後も冷たい態度を取り続けました。
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「彼らは、俺が置いて行ったことを根に持っていて、ずっと嫌な雰囲気にされている」
彼は、Redditで「自分が間違っていたのか?」と問いかけましたが、ほとんどのコメントは彼の味方をしました。
あるユーザーはこうコメントしています。
「NTA(Not The Asshole=あなたは悪くない)。クルーズ船が45分も待ってくれると本気で思ってるの? 船も港もスケジュールがあるんだよ。あなたの両親は大人なんだから、自分で時間管理すべき。18歳になったばかりのあなたの方が、よっぽど責任感があるね。もう彼らと一緒に旅行する必要がなくなったのはラッキーかもね!」
責任と自己中心的な考えの衝突
このRedditのスレッドは、責任感と境界線、そして家族の関係性に関する議論へと発展しました。
この対立の核心にあるのは、「クルーズのルールを守る」という息子の責任感と、「自由に行動したい」という両親の姿勢の違い。
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彼は、ルールを守らなければ船に戻れなくなるというリスクを理解していました。一方で両親は、今までの旅行のように「なんとかなるだろう」と軽く考えていたのです。
クルーズ旅行では、時間厳守が絶対のルール。あるコメントではこう指摘されています。
「時間に遅れるのは自己責任。クルーズ船は誰も待たない」
しかし、両親は息子に「船を待たせるべきだった」「一緒に残るべきだった」と責任転嫁。これには多くのユーザーが反発しました。
「何度も警告されたのに無視した結果でしょ? 自業自得だよ」
この話はまた、親子の関係における境界線というテーマにもつながりました。
18歳の息子は、大人として自分の行動を決める立場になりつつあります。一方で両親は、彼をまだ子ども扱いし、従わせようとしたように見えます。
「あなたは彼らのベビーシッターじゃない。彼らは大人なんだから、自分の行動には責任を持つべき」
家族の中では、時に「子どもは親に従うべき」という暗黙のルールが存在します。しかし、このケースでは、息子の方が責任感を持ち、親の方が自己中心的だったと言えるでしょう。
手を離すタイミングを学ぶ
この話は単なる「船に乗り遅れた」エピソードではありません。成長する子どもと親の関係性の変化を象徴する出来事だったのです。
今回の出来事を通じて、彼は「自分の行動に責任を持つこと」を学びました。そして、両親もまた、**「親だからといって子どもに依存できるわけではない」**という現実を突きつけられたのかもしれません。
また、この件は「身近な人のミスにどこまで付き合うべきか?」という問いも投げかけます。
「家族だからといって、いつも甘やかすべきなのか?」
「それとも、時には厳しく接し、責任を取らせることも必要なのか?」
彼は罪悪感を抱えつつも、最終的に自分の選択を貫きました。その結果、両親は自分たちの行動の結果と向き合わざるを得なくなったのです。
このエピソードが教えてくれるのは、**「正しい選択は必ずしも簡単ではない」**ということ。
ときには、家族であっても境界線を引くことが大切。
そして、成長の過程では、「見捨てる」のではなく、「手を離す」ことが必要になる場面もあるのです。