6年前にカリフォルニアへ移住する前、私はアメリカの中流階級について 非常に単純なイメージ を持っていた。
私はずっと東海岸、ニュージャージー州の小さな町で暮らしていた。
私の中で 「中流階級」とは、3ベッドルームの家を所有し、信頼できる車を持ち、年に1回は家族旅行に行ける生活 を指していた。
しかし、カリフォルニアへ移り住んでから、その認識が大きく揺さぶられることになる。
「ゴールデンステート（黄金の州）」と呼ばれるカリフォルニアは、ハリウッドの華やかさ、シリコンバレーの最先端技術、そして美しいビーチが共存する場所 というイメージがあった。
しかし、その表面の輝きの下には まったく異なる経済的現実 が広がっていた。
カリフォルニアの「中流階級」の現実
カリフォルニアに着いてすぐ、私は 生活費の高さに圧倒された。
友人たちは「家賃が信じられないほど高い」と警告してくれたが、実際に直面すると想像以上だった。
初めてスーパーのレシートを見て驚愕し、1ベッドルームのアパートに給料の半分を払ったとき、ようやく現実を理解した。
ここはニュージャージーとは違う。「中流階級」の基準がまるで別世界のように感じた。
私が働いていたサンフランシスコでは、ニュージャージーなら中流階級に十分入る給料をもらっていたにもかかわらず、ほとんど生活費に消えてしまった。
家賃、食費、交通費、医療費などの出費が重なり、貯金する余裕などなかった。
カリフォルニアで「中流階級」に分類される収入とは？
この疑問を解決するために、私はカリフォルニア州の所得基準 と生活費データ を調べてみた。
調査の結果、サンフランシスコで「中流階級」とされる年収 は、82,200ドル（約1,200万円）〜246,300ドル（約3,600万円） だった。
これは ニュージャージーの中流階級（25,000ドル〜75,000ドル）と比べて、圧倒的に高い。
この事実から私は 「中流階級」という概念が一律ではなく、地域の経済状況によって大きく異なる ことを学んだ。
「カリフォルニアの中流階級」という幻想
カリフォルニアに来る前も、移住した後も、多くの人が抱いていた誤解がある。
それは 「収入が高ければ、中流階級の生活ができる」という考え方 だ。
私も最初はそう思っていた。
シリコンバレーやロサンゼルスでは 6桁（10万ドル以上）の収入 を得ている人が多い。
しかし、実際に住んでみると、この収入では 「普通の生活をするのが精一杯」 という現実に直面する。
例えば、
- サンフランシスコの1ベッドルームの平均家賃は3,600ドル（約54万円）。
- 外食費、ガソリン代、保険料も他州よりはるかに高い。
結果として、「高収入＝快適な生活」という単純な図式は成り立たなくなる。
「中流階級」にとらわれない生き方
この現実に適応するため、私は**「中流階級」という考え方そのものを見直す必要がある** ことに気づいた。
収入を増やすことだけが解決策ではない。むしろ、
- 生活スタイルを見直す
- 出費を抑える工夫をする
- 地域ごとの生活コストに合わせて調整する
こうした考え方が長期的な安定につながることを学んだ。
また、カリフォルニアに長く住んでいる人と話をすると、
- 比較的安価な地域に住む
- 市場で食材を買い、自炊を増やす
- 車を持たずに公共交通機関を活用する
といった具体的な節約方法も教えてもらった。
「中流階級」というラベルに縛られない
最も重要なことは、「中流階級」という社会の基準に縛られないことだ。
「自分は中流なのか、そうでないのか」を気にするよりも、経済的な安定を築き、自分に合った生活スタイルを見つけることが大切 だと気づいた。
私は次のことを学んだ。
-
現実を受け入れる
- 高い生活費を嘆くのではなく、それに適応する方法を考える。
-
自分の経済状況に責任を持つ
- 収入の範囲内で生活を整え、無理な出費をしない。
-
社会の「普通」に惑わされない
- 中流階級の定義にこだわるのではなく、自分にとっての幸福を見つける。
まとめ：中流階級よりも「自分らしい暮らし」を大切に
カリフォルニアでの生活を通して、私は**「中流階級」という概念の相対性** を実感した。
重要なのは、収入の多さではなく、どのように生活を設計するか だ。
「中流階級かどうか」は、あなたの価値や成功を決めるものではない。
それよりも、
- 経済的な安定を築くこと
- 自分に合ったライフスタイルを確立すること
- 社会の基準ではなく、自分自身の満足度を大切にすること
これらの視点を持つことが、カリフォルニアで生きるうえで最も重要なこと だと感じている。
カリフォルニアに住んでいる人も、これから移住を考えている人も、収入の数字にこだわるのではなく、「どう生きるか」を考えてみてほしい。
